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有線マイクとワイヤレスマイクをどう使い分けるべきか

  • 執筆者の写真: yotahathi
    yotahathi
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

「マイクはワイヤレスでお願いします」


イベントや配信のご相談をいただく中で、この一言から話が始まることは少なくありません。


有線マイクは

「線がつながっていて見た目が悪そう」

「動きづらくて不便そう」

というイメージを持たれがちです。


一方でワイヤレスマイクは、カラオケや会議などで日常的に使われており、“当たり前の選択肢”として選ばれている印象があります。


マイクはワイヤレスを用意すれば間違いないと思われがちですが、実際にはそう単純ではないことをご存知でしょうか?



ワイヤレスマイクが向いているケース


ワイヤレスマイクが本領を発揮するのは、

「動き」が前提になる場面です。


例えば、

・会場が広く、有線マイクのケーブルの長さではカバーできない

・質疑応答等で、客席の中をマイクを持って回す必要がある

・ホールでのライブやステージイベントなど、演者が頻繁に動く



こうした状況では、ケーブルがないこと自体が大きなメリットになります。

つまりこのような状況においては、ワイヤレスマイクはとても有効な選択肢です。



有線マイクが向いているケース


一方で、有線マイクが適している場面も多くあります。


・登壇位置がほぼ固定されている

・椅子に座っての講演やトークイベントなど、動きが少ない進行

・音声の安定性を最優先したい場合



有線マイクは、見た目のスマートさではワイヤレスに譲る部分もありますが、音響の観点では最も安定した選択肢です。電波の影響を受けにくく、トラブルの要素が少ないため、「確実に音を届けたい」場面では大きな安心感があります。



「ワイヤレスマイク」には実は種類がある


ここで、あまり知られていないポイントがあります。

実は、ワイヤレスマイクと一言で言っても、使っている電波の種類はさまざまです。


代表的なものとして、

・A帯・B帯と呼ばれる専用の周波数帯

・2.4GHz帯と呼ばれる、Wi-Fiなどと同じ周波数帯


といった違いがあります。


この違いによって、

・電波の届きやすさ

・混信のしにくさ

・安定性


が大きく変わってきます。



安すぎるワイヤレスマイクには注意が必要


見積もりを取った際に、「思っていたよりかなり安いワイヤレスマイク」が含まれていることがあります。


価格が抑えられている製品の中には、その会場に適さない可能性のあるワイヤレスマイクも多く、周囲のWi-Fiや機器の影響を受けやすかったり、環境によっては不安定になりやすいマイクであるものあります。


一方で、A帯と呼ばれる安定性の高い周波数帯のワイヤレスマイクは、機材自体が高価であったり、そもそも手配や運用に一定の知識や経験が求められます。そのため、音響にあまり強くない業者の場合、こうした機材を扱っていないこともあります。


それ自体が「問題」というわけではありませんが、会場の規模や条件によっては、より慎重な機材選定が必要になる場面もあるという点には注意が必要です。


ワイヤレスマイクと一言で言っても、電波の強さや安定度は製品によって大きく異なるのです。


見積もりの金額だけで判断せず、

「どのような環境を想定しているのか」

「どのレベルの安定性を前提としているのか」

といった点を確認することが、トラブルを避けるための大切なポイントになります。



大切なのは「使い分け」と「前提の共有」


有線マイクとワイヤレスマイクに、どちらが正解、という答えはありません。


どれくらい動く必要があるのか?

会場の広さや環境はどうか?

どこまで安定性を重視したいのか?


こうした条件によって、最適な選択は変わります。


マイクは「好み」で選ぶものではなく、用途と環境に合わせて使い分ける機材だと考えています。



事前にヒアリングを行う意味


音響は、映像や配信方式に比べて後回しにされがちな分野であると私は感じています。


しかし、音が聞き取りづらいと、内容以前に集中力が途切れてしまいます。


「ワイヤレスにしたい」というご希望も含めて、前提条件を共有したうえで一緒に考えることで、無理のない選択ができると考えています。




執筆者プロフィール:

知久 陽太(トモヒサ ヨウタ)

UTAO STUDIO 代表

大学時代に音響を学ぶ部活に入部したことをきっかけに音響業界に身を投じる。現在、UTAO STUDIOの代表として、ライブハウスやホテルでの音響業務をはじめ、YouTube配信やZoomウェビナーといったWeb中継業務にも幅広く対応し活躍中。多様なジャンルでの経験を活かし、質の高い音響サービスを提供する一方で、趣味としてDJを行う一面もあり。また、PCを活用した動画編集やデザインにも得意で、クリエイティブな視点での音響制作に力を入れている。


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