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マイクを叩いてはいけない理由

  • 執筆者の写真: yotahathi
    yotahathi
  • 4月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:4月24日


正しいマイクの取り扱い方を覚えよう!

こんにちは。UTAO STUDIO代表のトモヒサヨウタです。


みなさんは、マイクで話す機会はありますか?

学校の行事、会社の会議、イベントの司会など、マイクを使う場面は意外と身近にありますよね。


こうした場面では、たくさんの人の前で話すことが多く、緊張してしまう人も多いと思います。


少しでもうまく話そうとしたり、声がちゃんと届いているか気になったり…その気持ちはとてもよくわかります。


マイクを持った女の子
大勢の前でマイクでお話するのは緊張しますよね…

でも、ひとつだけ——

どんなに不安でも絶対にやってほしくないことがあります。


それは、マイクを「叩いて」音を確認することです。


マイクで話し始める前に「これ音入ってる?」とマイクをポンポン叩いて確認する人をときどき見かけます。


気持ちはとてもよくわかるのですが、マイクを叩く行為は絶対にやめたほうがいいです。ここでは、その理由と代わりにできることをお伝えします。



マイクを叩くと何が起こるのか!?


マイクを叩いたときの音は、人の声とは比べものにならないほど大きな音としてマイクに入力されます。


マイクは声のような空気の振動を捉えるために設計されていますが、叩くという“直接的な衝撃”は想定されていません。


その結果、非常に大きな音が瞬間的に出力されてしまい、それがそのままスピーカーやアンプに送られることで、内部の部品に大きな負荷がかかり壊れてしまう危険性があるのです。


特に問題になるのが、ホテルやホールなどに設置されている常設スピーカーが故障した場合です。


こういった設備は、会場の構造や天井に組み込まれていたり、専用のシステムとして設計されているため、壊れてしまってもすぐに交換できるものではありません。


そのため、長期間にわたって安定して使われる常設機材に関しては、より丁寧で慎重な取り扱いが求められます。その場の一瞬の確認のために、貴重な設備を危険にさらしてしまうことは、現場全体にとっても非常に迷惑で、避けるべき行為です。


一度故障すれば、その後のイベント進行に支障をきたすだけでなく、修理や交換にも時間と費用がかかります。「ちょっと叩いただけ」で、大きなトラブルにつながる可能性があることを、ぜひ覚えておいてください。



マイクが入っているか確認したいときは?


まず最初に大切なのは、マイクにしっかり近づいて話すことです。「音が入っていないかも?」と思ったとき、実はマイクとの距離が遠すぎるだけというケースがよくあります。


マイクは、口元にしっかり近づけて話すことで、はじめて音を正しく拾います。緊張してついマイクから離れてしまうこともありますが、安心して、マイクに一歩近づいてください。それだけで聞こえ方はぐっと変わります。


マイクチェックの際には、叩かなくても「あー」や「チェック、1・2」など、普通に声を出してみれば十分です。音が出ているかどうか、自分でもすぐにわかりますし、音響スタッフもそれを聞いて音量などの調整ができます。



不安なときはスタッフに確認を


もしそれでも不安が残るときは、マイクを通して「今、音入ってますか?」と音響スタッフにひと声かけてください。


現場の音響機器はプロが管理していますので、無理に触ったり叩いたりせず、まずは落ち着いてマイクの確認を行うことが一番安全です。



まとめ


音響設備はとても高価ですが、大切に使えば長く活躍してくれる道具です。しかし、マイクを叩く等といったちょっとした行為の積み重ねが、機材の劣化を早めてしまうことに繋がります。


正しいマイクの扱い方を覚えることで、あなたのスピーチはよりクリアに、そして素晴らしく聞こえるはずです。自分のためにも、周りのスタッフのためにも、叩かずに確認する習慣を、ぜひ意識してみてください。



知久陽太

執筆者プロフィール:

知久 陽太(トモヒサ ヨウタ)

UTAO STUDIO 代表

大学時代に音響を学ぶ部活に入部したことをきっかけに音響業界に身を投じる。現在、UTAO STUDIOの代表として、ライブハウスやホテルでの音響業務をはじめ、YouTube配信やZoomウェビナーといったWeb中継業務にも幅広く対応し活躍中。多様なジャンルでの経験を活かし、質の高い音響サービスを提供する一方で、趣味としてDJを行う一面もあり。また、PCを活用した動画編集やデザインにも得意で、クリエイティブな視点での音響制作に力を入れている。


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