
こんにちは。UTAO STUDIO代表のトモヒサヨウタです。
弊事務所では現在、NDIを中心とした仮設配信システムのALL IP化を目標に、日々技術研究に取り組んでいます。
その一環として、まず導入したのがNDIで映像出力のできるPTZカメラです。

PTZ-NDIカメラの利点
映像配信において、PTZ-NDIカメラのメリットは非常に多くあります。
LANケーブル1本で給電と映像伝送が可能
(AC電源不要で、設営の迅速化が可能)
オペ卓から遠隔操作が可能
(色温度調整などを一括管理でき、カメラマンとのやり取りが不要)
少人数現場でも対応可能
(1名で複数のカメラを制御できる)
PTZ-NDIカメラの課題
しかし、PTZカメラにはどうしても有人カメラに及ばない点があります。
それは、動きのある演者の追従や微調整の難しさ です。
これまで、NDI対応のアプリやiPhoneアプリなど、様々な方法でPTZカメラを操作してきました。しかし、画面上でのコントロールは直感的ではなく、有人カメラのようなスムーズな動きが実現できませんでした。画面上でのコントロールは大雑把な動きには対応できるものの、予想だにしない演者の動きや微調整に弱いという弱点がありました。

従来のPTZコントローラーの問題点
専用のPTZコントローラーを導入することも考えましたが、
高価である
オペ卓のスペースを圧迫する
といった理由から、導入を断念。よりスマートな方法を模索していました。

ゲームコントローラーを活用
そんな中、ゲーム動画を見ていてひらめきました。
「ゲームコントローラーを使えば、PTZカメラを直感的に操作できるのでは?」
ちょうど、弊事務所で導入しているCanonのPTZカメラには、優秀な無償アプリが提供されています。このアプリとゲームコントローラーを組み合わせれば、直感的なPTZカメラの操作が実現できるのではと考えました。

実際の設定方法
有線のゲームコントローラーを用意Amazonで2,000円台で購入可能。無線でも可ですが、安定性を考慮して有線を推奨。
CanonのPTZコントロールアプリを使用設定 → ジョイスティック画面から、コントローラーをカメラ操作を割り当て。
直感的なカメラ操作が可能に!実際の操作感を動画でご覧ください。
導入のメリット
誰でも直感的に操作可能(ゲームコントローラーは多くの人が使い慣れている)
低コストで導入できる(専用コントローラーよりはるかに安価)
省スペースでスマートなオペレーション(オペ卓のスペースを圧迫しない)
弊事務所は現在、親方1名(私)+ アウトソーシングというスタイルで業務を回しています。そのため、現場に来た誰もが一目で理解し、すぐに操作できるシステムを組むことが重要です。
PTZカメラの操作方法をよりシンプルに、より直感的にするためのアイデアとして、ゲームコントローラーの活用は有効な手段だと考えています。
今回ゲームコントローラーの導入により、PTZカメラの操作性が大幅に向上しましたが、まだまだ有人カメラに匹敵する操作を行えるかというと課題はまだあるというのが正直なところです。
そこで今後は、Canonの自動追尾アプリケーションの有料版を弊事務所では導入予定です。これにより、有人カメラに並ぶどころか、それを上回るオペレーションをより少人数で行えるようになると私は考えます。
今後も、より良い配信システムの構築に向けて、弊事務所は研究を続けていくつもりです。
![]() | 執筆者プロフィール: 知久 陽太(トモヒサ ヨウタ) UTAO STUDIO 代表 大学時代に音響を学ぶ部活に入部したことをきっかけに音響業界に身を投じる。現在、UTAO STUDIOの代表として、ライブハウスやホテルでの音響業務をはじめ、YouTube配信やZoomウェビナーといったWeb中継業務にも幅広く対応し活躍中。多様なジャンルでの経験を活かし、質の高い音響サービスを提供する一方で、趣味としてDJを行う一面もあり。また、PCを活用した動画編集やデザインにも得意で、クリエイティブな視点での音響制作に力を入れている。 |
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