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KILOVIEW CUBE R1 レビュー : NDI録画の新時代!CUBE R1がもたらす革命的な効率化


コラムタイトル

KILOVIEW CUBE R1は、NDIをソース別に最大9チャンネルまで収録可能な画期的な録画機材です。その機能性とシンプルな操作性は、NDIを活用する配信・制作環境において非常に魅力的な選択肢となっています。今回、デモ機をお借りしてその真価を問いていきます。

KILOVIEW CUBE R1

良い点


1. 高いパフォーマンス


CUBE R1は、NDIをメインとする配信環境で最大限のパフォーマンスを発揮します。LANケーブルを1本接続するだけで、同一ネットワーク上の全カメラソースやNDI出力された映像を簡単に録画できるのは、これまでの機材では実現が難しかった機能です。


従来では、カメラごとに個別で録画を行ったり、スイッチャーに全カメラソースを入力して録画する必要がありました。しかし、この方法は対応可能なスイッチャー機種が限定されるうえ、回線も複雑化していました。Cube R1なら、1台でカメラソース、スライド資料、さらにはオンエア映像まで同時に録画できるため、非常に効率的です。録画後の編集時に映像の同期を取る必要もなく、この点はポストプロダクションの手間を大幅に軽減し、制作工程を効率化する大きなメリットです。


4画面同時録画の様子


2. 専用SSDの設計


本機は専用SSDが必要ですが、SSDには本体内蔵のロック機構があり、物理的な安全性が確保されています。さらに、録画後は外付けSSDとしてUSB-C経由でパソコンに直接接続し、データを簡単に取り出すことが可能です。この設計により、コスト以上の使い勝手と満足感が得られることは間違いありません。


専用SSDのロック機構
2TBのSSDがケーブルレスで直接本体に挿せる。たったそれだけのことなのですが、非常に便利です。
外付けSSDとしても使用可能
SSDにUSBtypeCケーブルを挿せば、通常の外付けSSDのように運用することができる。PCへの録画データの移動がスムーズに行えるのだ。

3.直感的な操作性


インターフェースは非常にシンプルで、画面をタッチするだけで同一ネットワーク上のNDIソース一覧が表示されます。録画したいソースを選ぶだけで、録画を簡単に開始できます。また、録画された映像は、Cube R1内で即座に確認可能です。


CUBE R1のインターフェース
分割されている

NDIソース一覧の様子
同一ネットワーク上

悪い点


記事執筆時点での課題として、以下の点が挙げられますが、いずれもアップデート対応が予定されているとのことです。


1.音声周りの機能制限


Cube R1にはLINE IN/OUT端子やヘッドホン端子が搭載されていますが、現状これらの機能は利用できません。将来的に音声設定が可能になれば、まさに鬼に金棒なのですが…。アップデートが待ち遠しい…。


2.使用できないHDMI端子


背面にHDMI端子が装備されていますが、こちらも現状使用できません。もしHDMI出力で各ソースをマルチビュー表示したり、ネットワークのステータスをリアルタイムで確認できるようになれば…めちゃくちゃ便利ですよね。


ちなみに今後のアップデートではHDMI Out、ヘッドフォン端子、LINE In、LINE Out、USB ポートへの対応。NAS への収録。SSDメディア間のリレー収録。SFP の冗長化。収録中の再生に対応予定とのことでした。これらのアップデートが完了した暁には、NDIを扱うユーザーにとって、なくてはならない神機体になることは間違いないでしょう。



総評


KILOVIEW CUBE R1は、NDIを利用した録画環境において、非常に有望な製品です。電源が2口用意されるなど、安定した運用を支える設計が信頼性を高めています。

録画時にソースの同期を気にする必要がない点や、直感的な操作性も大きな魅力です。弊事務所では、ALL IP化を目指す中でこの製品を必須機材と位置付けています。


物理的端子が搭載されているにも関わらず、発売時点で使用ができないという点は「なぜ?」と感じる部分もありますが、今後アップデートにて改善予定とのことなので、NDI環境におけるベストソリューションとして、Cube R1のさらなる進化に期待です。


知久陽太

執筆者プロフィール:

知久 陽太(トモヒサ ヨウタ)

UTAO STUDIO 代表

大学時代に音響を学ぶ部活に入部したことをきっかけに音響業界に身を投じる。現在、UTAO STUDIOの代表として、ライブハウスやホテルでの音響業務をはじめ、YouTube配信やZoomウェビナーといったWeb中継業務にも幅広く対応し活躍中。多様なジャンルでの経験を活かし、質の高い音響サービスを提供する一方で、趣味としてDJを行う一面もあり。また、PCを活用した動画編集やデザインにも得意で、クリエイティブな視点での音響制作に力を入れている。


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