こんにちは。UTAO STUDIOのトモヒサ ヨウタです。
音響業務や映像配信において、ノートPCの音を音響ミキサーに入力するシチュエーションは多々あるかと思います。
PCから音声を出力する方法は様々ですが、より良い音質でそれを行う為には多少の知識が必要となりますので、こちらの記事にまとめておきます。
この記事は…
PCから出る音をスピーカーから出したい人や
PCから出た音を音響ミキサーに入力したが、ノイズが発生してしまったり、音割れを起こしてしまった経験のある方向けの解決方法を示した記事となります。
PCの出力音声の基本
PCの音声出力には、ヘッドホンジャックやUSBポート、Bluetoothなど複数の方法があります。どの方法を選ぶかは、使用するデバイスや目的によって異なります。主な音声出力方法は以下の通りです。
ヘッドホンジャック: 3.5mmのミニジャックが一般的。外部スピーカーやヘッドホン、録音機器へ簡単に接続可能。
USBオーディオインターフェース: より高品質な音声出力を求める場合に使用。
Bluetooth: ワイヤレスで音声を送る際に便利。
どの方法でも音声の出力が可能ですが、より良い音声出力を行いたいのであればUSBオーディオインターフェースを使用して出力を行うことをおすすめいたします。
ヘッドホンジャックから変換ケーブルを使用してミキサーに入力するのはNGか?
同じ有線での出力方法となりますが、ヘッドホン出力をキャノン(XLR)に変換してミキサーに入力を行うことは、一般的にはお勧めできないことが多いです。理由としては、ヘッドホン出力とXLR入力は異なる信号レベルやインピーダンスを持っているため、直接変換すると音質に問題が生じたり、機器を損傷する可能性があるからです。
信号レベルの違い: ヘッドホン出力は「ハイレベル」な信号(強い信号)を出力しますが、XLR入力は通常「マイクレベル」や「ラインレベル」の信号を期待しています。ヘッドホン出力の強い信号をそのままXLRに送ると、入力機器が過負荷になり、歪みやノイズの原因になることがあります。
インピーダンスの違い: ヘッドホン出力のインピーダンスとXLR入力のインピーダンスも異なるため、直接接続すると音質が低下する可能性があります。適切なマッチングを行わないと、音が弱くなったり歪んだりします。
解決策としてヘッドホンから出力した信号を調整するDIボックス(Direct Injection Box)を使用するという方法等があります。
ただし!現場において「この方法は駄目だ!」という常識に囚われていると、痛い目をみることも…。どうしてもDIやオーディオインターフェースが用意できないという場面に遭遇した際には、なるべくPCの音声出力の数値を落としてミキサーに入力を行うようにしましょう。正常な音質で音を出力する為には、信号レベルやインピーダンスを適切に管理することが重要です。
執筆者プロフィール:
知久 陽太(トモヒサ ヨウタ)
UTAO STUDIO 代表
大学時代に音響を学ぶ部活に入部したことをきっかけに音響業界に身を投じる。現在、UTAO STUDIOの代表として、ライブハウスやホテルでの音響業務をはじめ、YouTube配信やZoomウェビナーといったWeb中継業務にも幅広く対応し活躍中。多様なジャンルでの経験を活かし、質の高い音響サービスを提供する一方で、趣味としてDJを行う一面もあり。また、PCを活用した動画編集やデザインにも得意で、クリエイティブな視点での音響制作に力を入れている。
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