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NDIを使用したDJパーティーでの映像演出事例

更新日:11月12日



こんにちは!UTAO STUDIO代表兼DJのトモヒサヨウタです。


今回の記事では弊事務所が主催で行ったDJパーティにて「映像関連の結線を(ほぼ)全てNDIで行った」事例をまとめていきます。


まず早速、映像関連の回線図と配置図を御覧ください。


映像回線図

配置図
配置イメージ

まずは各ソースの解説です。


① PCDJのソフトには「VirtualDJ」を採用


VirtualDJはビデオファイルをデッキに読み込むことでビデオファイルの音源でDJを行いつつ、映像も出力できるという、DJプレイを行いつつVJ的な演出を行いたい方にはうってつけのアプリケーションとなっております。本アプリはビデオのリピート再生も可能なので、今回はDJプレイが始まる前の幕間の映像もデッキに入れて流しておりました。


VirtualDJ

このアプリの問題点を一つ挙げるとするならば、日本国内ユーザーがほとんどいない為、情報がほとんど日本語サイトに落ちていない点でしょうか。公式サイトのコミュニティページでの情報交換は活発に行われておりますので、私は翻訳機能を使いながら日々研究を行っております。

VirtualDJ公式サイト
https://www.virtualdj.com

② PTZカメラ「Canon CR-N100」をNDIカメラとして使用


カメラはLANケーブルで接続することによって、NDI®|HXでの出力と制御が可能なCR-N100をDJの手元と上手の2箇所に設置しております。

CR-N100
コラム 新カメラ CR-N100を導入しました。
https://www.utaostudio.com/post/20241003-1

③ iPhoneアプリ「NDI HX Camera」


DJの手元には「NDI HX Camera」がインストールされているiPhoneが置いてあり、NDIを用いることででiPhoneのカメラ映像を無線出力できるようになっております。


今回は全てLANケーブルでの映像伝送を行うのが初めての試みということもあったので、NDIがトラブルを起こした場合に備えて、従来のHDMI,SDIを使用した予備の映像回線も1本用意しておきました。


さて、ここからは映像回線をNDIにまとめたことによって可能となった、様々な映像演出を紹介させていただきます。





① PTZカメラの遠隔操作による映像演出


PTZカメラをNDI制御にすることによって、カメラ1台に対しカメラマンがつかなくても、画角の調整やパン、チルト、ズームをオペ卓から行えます。


これによって、プロジェクターにDJの手元だけにとどまらず、盛り上がっている客席の様子を写したり、ゲスト歌手を映す等の演出ができるようになっています。掲載画像のプロジェクター投影映像とDJのすぐ横においてあるPTZカメラの角度にご注目ください。


DJパーティー映像演出01
DJパーティー映像演出02
DJパーティー映像演出03

② iPhoneアプリ「NDI HX Camera」を使用した映像演出


DJのセットリストに含まれていたTikTokヒット曲に合わせて、iPhoneアプリ「NDI HX Camera」にて伝送した映像をプロジェクターに投影し、来場されたお客様を次々と映していくという演出です。言葉ではなかなか説明しづらいので、こちらに関しましては動画をご参照ください。



VirtualDJには簡単な映像スイッチングの機能も備わっているため、DJが手元でミュージックビデオとiPhoneカメラのスイッチングを行うことでこちらの演出を可能としております。




まとめ:今回映像関連の結線を(ほぼ)全てNDIで行ってみて良かったこと


① 配線の簡略化ができた。


プロジェクターへの入力がステージと反対側である都合上、どうしてもお客様動線に映像ケーブルを這わす必要があったのですが、従来の方法では何本もケーブルを這わさなければならなかったところを、ネットワークスイッチとスイッチングを行うPCを接続するケーブル1本だけで済みました。


従来の配線

NDIを用いた配線

お客様動線上にケーブルを配線しすぎると、ケーブルが踏まれたり、お客様がつまづいて転倒事故のリスクが上がる等のデメリットがありますので、配線をすっきりさせることはリアルイベントにおいてとても重要です。


さらに配線図では省略されていますが、本来であれば各カメラには電源が必要です。しかし、PTZカメラはLAN コネクターによるPoE+給電が行われているため、電源タップの用意等も必要がありません。



② イベント運営のコストカットができた。& 定点カメラの可能性が広がった。


PTZカメラはオペ卓から各カメラにアクセスし自由にコントロール出来るため、1台1台にカメラマンがつく必要はありません。これにより人員削減とイベント運営のコストカットを実現しました。


また従来も使用されていた無人の定点のカメラでは映像演出の限界がありましたが、カメラを遠隔操作できるようになったことにより、ステージ上においてあるカメラで行える映像演出の可能性が広がりました。



今後の課題:NDI映像の記録に関して


NDIカメラとビデオカメラとの大きな違いはRecを行うことが出来ないという点ではないでしょうか。NDIカメラ映像の記録に関しては、NDIからリリースされている「NDI Studio Monitor」というアプリでRecが可能ではあるものの、少々安定度に問題があり、弊事務所では現在、安定したNDI映像の記録に関しましてまだまだ検証中の段階にあります。


NDIを各ソースごとにRecを行うことができる機材があるようなので、今後はそちらのテストを行ってみるつもりです。



以上、NDIを使用したDJパーティーでの映像演出事例のご紹介でした。




執筆者プロフィール:

知久 陽太(トモヒサ ヨウタ)

UTAO STUDIO 代表

大学時代に音響を学ぶ部活に入部したことをきっかけに音響業界に身を投じる。現在、UTAO STUDIOの代表として、ライブハウスやホテルでの音響業務をはじめ、YouTube配信やZoomウェビナーといったWeb中継業務にも幅広く対応し活躍中。多様なジャンルでの経験を活かし、質の高い音響サービスを提供する一方で、趣味としてDJを行う一面もあり。また、PCを活用した動画編集やデザインにも得意で、クリエイティブな視点での音響制作に力を入れている。

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